2020年9月の不動産Movement
- 2020/10/11
- 不動産ニュース, オアフ不動産Movement(Market Stats)
先月のオアフ島における不動産取引価格の推移は以下の図のようになっています。
オアフ島の戸建て市場は新記録を2つ樹立
ホノルルリアルター協会(HBR:Honolulu Board of REALTORS)は、9月のオアフ島の販売状況を発表しました。夏のシーズンの終わりとなる9月は、戸建ての販売数が前年同月から12.7%増加し、価格が13.3%上昇しました。コンドミニアムは販売戸数が-2.1%、中間価格は前年同月と同額になり、コンドミニアム市場も落ち着きを取り戻してきたようです。また9月は、2つの新記録が生まれました。1つは、戸建ての中間価格が880,000ドルと過去最高を記録。もう1つは、成約日数(Days on Market=DOM:販売されてから成約までの日数)が9日と過去最短を記録しました。
「新型コロナウイルスの感染拡大により、バイヤーの心理が「郊外へ」「広い空間へ」と変化し、それが戸建ての需要増に表れているようだ。さらに、感染拡大によるロックダウンで人々は自宅待機や在宅勤務を余儀なくされており、ニューノーマル(新しい日常)に適応するための生活様式を求めて、市場に殺到しているのだろう」と、2020年HBR会長のトリシア・ネコタ女史は語り、「COVID-19というパンデミックにより、不動産売買に対する考え方や捉え方に変化が生じており、マイホーム購入や家の買い替えに関する優先順位にも影響を与えている」と指摘しています。
各種データを個別に見てみましょう。戸建て市場は、700,000ドル以下の価格帯の販売数が36.3%減少しましたが、700,000ドルから1,499,999ドルの価格帯は9月の一月で74件増えており、前年同月比では42.9%も増加しました。1,500,000ドル以上の価格帯も42.9%増加しました。ちなみに、ハワイでは大型に属する床面積が2,000 sq.ft(約185.01㎡)以上の物件も、前年比で37.9%増加しました。
コンドミニアム市場は、販売数が456ユニットで前年比-10ユニット、2.1%の減少になりましたが、価格は前年同月と変わりなく、持ち直してきたようです。また、400,000ドルから499,999ドルの価格帯と600,000ドルから699,999ドルの価格帯で活発な動きがあったようです。中間価格は445,000ドルで前年9月と変わりませんが、販売日数は前年同月の27日から21日に短くなりました。
販売価格に対する成約価格の割合(% of Original Listing Price Received)は、満額での購入が前年の79件から163件へと2倍以上も増加しました。コンド市場も同様に、2019年は62件でしたが、今年は82件に増加しました。
秋のシーズンが始まる中、販売可能な物件数(在庫数:inventory)は、前年同月比で戸建てが39.3%、コンドミニアムが5.8%減少しています。戸建ての在庫数(9月の時点で1.9ヶ月分)の著しい減少は、市場に出る新規物件数が少ないことと、パンデミックによる戸建て需要の増加が第三四半期に高まったことと関連していると思われます。戸建てほどではありませんが、コンドミニアム市場も在庫数(同4.0ヶ月分)が減少しています。第2四半期からコンドミニアムの需要も高くなり、昨年の第3四半期と比較すると在庫数は13.4%減少しており、市場は回復しています。
オアフ島は、9月に2度目のロックダウンを経験しており、戸建てとコンドミニアムの新規物件の登録数は、前年比でそれぞれ18.4%、9.7%の減少に留まっています。数字だけを見ると「減少」と思われるかもしれませんが、初めてロックダウンした4月は、前年比で戸建てが45.5%、コンドミニアムが39.5%の減少だったことと比べると、明らかに市場が回復していることがわかります。
詳細な統計はこちらをご参照ください。