2020年12月の不動産Movement

先月のオアフ島における不動産取引価格の推移は以下の図のようになっています。

2020年12月 オアフ島の不動産統計

オアフ島は上昇気流で2020年を終える

ホノルルリアルター協会(HBR:Honolulu Board of REALTORS)は、「12月は販売戸数などの増加が見られ、プラス基調で2020年を終了した」と発表しました。12月の戸建て市場は、2019年12月の販売戸数と比較すると35.9%の大幅な増加を記録し、コンドミニアムも20.1%増加しました。新規のリスティング物件数もそれぞれ15.3%、3.6%増加しました。中間価格は前年比で、戸建てが6.1%上昇の870,000ドル、コンドミニアムが6.9%上昇の455,000ドルでした。

「一般的にスローと言われているホリデーシーズンだが、オアフ島の不動産市場は引き続き堅調な動きを見せており、パンデミック禍にも関わらず販売戸数などの増加が見られる」と、ホノルルリアルター協会の2021年会長であるシャノン・ヘヴン女史は述べ、「米国史上で最低の住宅ローン金利やワクチンの認可などのプラス要素が消費者に安心感を与え、住宅購入意欲を刺激していることもあり、販売状況は2019年の第4四半期と比較しても増加した」と分析しています。

2020年の年初は、戸建て、コンド市場ともに2019年のレベルを上回る販売状況で始まりました。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大により、3月の中旬から大きな打撃を受けました。オアフ島でも自宅待機(ステイ・アット・ホーム:stay-at-home) 条例が発令され、米国で最も高い失業率を記録し、パンデミック禍による健康不安なども重なり、第2四半期の販売は、第1四半期に比べ戸建てが17.3%、コンドミニアムは38.1%に止まるなど、大きく落ち込みました。

幸いにも、不動産業は生活に欠かせない産業として、パンデミック禍でもビジネスが可能になりました。そこで不動産業界は、コロナ禍における独自の方針を立て、オープンハウスや内見時の手順などを公開し、消費者に対してオープンでわかりやすい安全・安心なガイドラインを打ち出しました。それにより第3四半期は、戸建ての販売戸数が4.0%増加し、コンドミニアム市場は13.4%の減少に止まり、減少幅は縮小しました。

年末になると、モーゲージ利率(住宅ローン利率:mortgage rates)は金融史上最低の3%を切り、30年ものの固定金利が前年比で1%も下がりました。それにより、2020年の戸建ての販売戸数は前年比で2.3%増加しましたが、コンド市場は前年比で13.0%減少しました。超低金利と極端に少ない在庫数に需要増などが重なり、戸建ての中間価格は前年比で5.2%上昇して830,000ドルになり、コンドミニアムも2.4%上昇して435,000ドルになりました。在庫数は、前年比で戸建てが17.7%、コンドミニアムが14.4%それぞれ減少しました。

2020年の販売状況を総括すると、販売戸数は戸建てが前年比2.3%増の3,838戸、コンドは前年比13.0%減の4,706ユニットでした。価格は戸建てが前年の789,000ドルを5.2%上回る830,000ドル、コンドは前年の425,000ドルを2.4%上回る435,000ドルでした。

ヘヴン会長は「オアフ島の不動産市場は、パンデミック禍においてハワイ経済を推進している存在だ。マーケットは堅調だが、在庫数が少ないことから、1物件に複数のオファーが殺到して成約価格が上昇し、さらに販売日数も短縮されている」と指摘しています。

第4四半期では、成約した戸建てのうち販売価格を上回った物件は前年比168.1%増になり、この時期の成約件数の45.0%に達し、2019年の19.0%の倍以上でした。コンドミニアムも同様の状況で、成約した物件のうち販売価格を上回ったものは前年比93.2%増でした。これは、この時期の成約件数の22.3%を占めており、2019年の12.1%の倍に近い割合です。

詳細な統計はこちらをご参照ください。

2020年12月 オアフ島の不動産統計

<Source: Honolulu Board of REALTORS>